クレームでも言い方一つで変わる!相手を思いやれば相手も変わる

例えば店で買った食品を家で食べようと思ったところ、異物が入っていたとします。例えばネットで注文したはずの家具の部品が足りず、家具を組み立てることができなかったとします。

これらのように、店や業者のミスがあって被害をこうむった場合、誰もが腹を立てます。場合によってはケガをしたり、損害が生じることだってあるので当然でしょう。

そうした場合、多くの人は相手や店に対してクレームを言います。苦情を言う、と言う人もいますが、厳密に言えば苦情とクレームは、そこに感情が入るかどうかで若干違います。

苦情とは…他人から被害を受けたことに対して出る不満や不平などの感情。

クレームとは…取引などで違約が発生した相手に対して損害請求を求めること。または、注文。

いずれにしても、店や業者、相手に非があった場合、クレームを伝え、場合によっては損害賠償を求めることになるのですが、このクレームのつけ方もただ言えばいいというわけではありません。

そもそもクレームする側の目的として多いのが、相手に非を認め謝罪してもらう、損害の補修や賠償をしてもらう、業務の改善を要望するなどがあります。ある意味、意見の主張とも言えます。その為には、あった実害について相手に知ってもらい認めてもらう必要があります。

しかし、クレームを告げる人の多くは、ただただ自分の不満をまるでうっぷん晴らしを解消するかのような言い方をします。酷い人は、「態度が悪い」と話が変わったり、「店の作りが悪い」など、内容とは関係のないことまで言い出す人もいます。

例えばお客に対して店がミスをしてしまった場合、その立場の違いやミスなどの事実からしても、クレームを告げる側(お客)が強く有利なものであることには違いはありません。

とはいえ、相手も人間です。ただただ怒鳴って相手を非難するだけでは、相手側に非があったとしても頑なになるだけです。場合によっては、ただのいちゃもんと受け取られかねません。目的が変わってしまいます。

腹が立つ気持ちはわからなくもないです。しかしそれでは、本来ならばクレームを言うことで損害を保障してもらったり、改善をしてもらうはずの目的が達成できなくなります。目的を達成するためにもクレームする側として大切なこともあるのです。

まず、感情的にならないように話をすることです。相手のミスにより自分に被害や損害を被った時、つい怒りで怒鳴ってしまう人は多いものです。難しいことですが、感情的に言うと肝心な説明ができなくなってしまうので、冷静になることが大切です。

また、必要以上なことを言ってしまうと、かえってただの文句にしか聞こえず、本当にこちらのミスなのか?と疑問を持たれてしまうこともあります。

あった事実のみを冷静に伝え、また自分はどうして欲しいのかも明確に伝えなければ、ただの文句やうっぷん晴らしにしか取られかねません。

必要以上に話を大きくしないことも大切です。例えば店内で他の客に聞こえるような大声で言えば、店の心象が悪くなりますし、こちらも周りからはただのクレーマーにしか見えなくなります。

逆に店外や別室などで他の客にわからないようにしたり小声で話すと、その配慮に感謝されることもあります。

特に大声で怒鳴る、肩書を使って威圧する、脅すようなことを言う、何度も同じことを言うのは、相手を意固地にさせてしまうことになりかねません。

例えこちらが苦情を言う立場だろうが、相手を立てて配慮すると話はスムーズに進みます。それが大人としてのマナーでもあるはずです。

閉じる