実は本数や結び方に違いや意味がある！祝いごとで使う水引とは
冠婚葬祭で使われる御祝儀袋や不祝儀袋について、きちんと理解して使っている人はどれくらいいるのでしょうか。
店へ行けば、「お祝い」「御出産」「御香典」など、すでに印刷されているからそれを見て用意している、と言う人も多いでしょう。
祝儀袋を見ると赤と白の細い紐が結ばれているのはわかると思います。（印刷されているのもあります。）これを水引と言うのですが、実は細かいことを言えば、この水引の結び方や色、本数にも意味があるのです。
水引とは…古くは飛鳥時代、当時の中国王朝の使者の贈答品に紅白の麻ひもが結ばれていたことから始まります。その後、宮中への献上品から庶民に広まって定着しました。今は、和紙をこより状にしたものを緩まないように水糊を引いて固めるそうです。それが語源になっています。
結び方としては、「蝶結び（花結び）」「結び切り」の2種類があるそうです。
結び切りは、「二度と繰り返さないでほしい・あってはならない」という想いが込められているために、一度結んで解けないようになっています。お祝いでも葬儀でも同じ言葉を繰り返さないと言うことがありますが、同じと考えていいでしょう。
婚礼や全快祝い、弔事に使いますが、両端の紐の向きがお祝い事は上向き、弔事は下向きとなっています。
蝶結びは何度でも結び直せることから「何度でも嬉しい・繰り返していい」という想いが込められており、出産や進学などのお祝い事に使われます。ただし、婚礼用には向いていません。
色は見て一目瞭然でしょう。慶事には、紅白や金銀、赤金が使われています。弔事には、白黒や黄白、青白、銀があります。濃い色が右側で、薄い色が左にくるように結びます。
水引の本数ですが、慶事は、5・7・9本の奇数。婚礼関係の場合は、5本2束の10本になります。弔事には、2・4・6本の偶数を使います。
本数が多いほど丁寧にしたものですので、金額や贈る品のサイズなどを見てバランスを考えて、本数を決めるといいでしょう。ただし、9本は奇数ですが「苦」とも受け取れる数字なので、あまり使わない方がいいと思われます。
実際に水引を自分で結ぶことはないので、そこまで知らなくてもいいという人はいるかもしれませんが、御祝儀袋を買うのに、どの袋を買えばいいのかの参考にはなると思います。
最近は、お洒落な袋もあるのですが、デザインにばかり目がいってしまって、金額に見合っていない袋を使うのは、なるべく避けたいものです。
ちなみに「のし（熨斗）」もよく耳にすると思います。御祝儀袋の右上にある、四角い色紙を細長く六角形になるよう折りたたみ、中に細く切ったのしあわび（熨斗鮑）を包んだものになります。これもまた印刷しているものが多くあります。
よくお中元やお歳暮で「のしをお付けしますか。」と聞かれることもあるので、わかると思います。
「のし」は、「延ばす」という所からと、古代中国の不老長寿の薬とされたあわび（のばして乾燥させたあわび）がお祝い事などの贈り物に添えられていたところからきているようです。
のしは、結婚や出産だけでなく、お中元やお歳暮など幅広く使われています。ただ、不祝儀や病気見舞いなど、また鮮魚や肉などにはつけません。
水引にしろのしにしろ、自分で直接作ることはないでしょうが（作ることはできます。）、ちょっとしたことでもその意味や使い方を知っているのと知らないのとでは違うのではないでしょうか。
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