相手の家を訪問する際のマナーと同様、逆にお客が家に訪れてきた場合もそれなりにマナーはあります。前もって掃除(片付け)をしておく、御茶菓子を用意する、など準備もですし、相手がみえた時に気持ち良く過ごしてもらうような配慮も必要です。

そんな気配りは素晴らしいものですが、逆に裏目に出てしまうこともあります。よほど居心地がいいのか、来客時の困ったことでよく話題になるのが、何時間経ってもなかなかお帰りにならない方がいることです。

このような方は、どちらかと言えば畏まった方よりも友人などの気兼ねない相手の場合に多いのですが、実際に食事時になっても帰らなかったり、友人で酷い場合には、終電を過ぎても帰らなかったりします。

本人としては、仲がいいということで相手に甘えてしまい、相手が困っていることにすら気付きません。元々そう言った気遣いに疎い人もいます。

そういう時はどうしたらいいのでしょうか。

京都にはなかなか帰らないお客に「ぶぶ漬け(茶漬け)」を勧めて、暗にお帰りを促す習慣があるそうです。本来お茶漬けはお客に出すものではないものですが、それを出すことで帰って欲しいことを伝えるようです。

また、天地逆の箒を玄関や出入り口に置いておく(逆さ箒)というのもあるそうです。昔は京都だけでなく全国各地にその手の話もあり、「手拭いをかぶせる」こともあるそうです。

箒は、昔祭祀として用いられていたことから「おまじない」的な意味合いもあったようで、こちらの方がぶぶ茶漬けよりも強いアピールを示しているとのこと。

なかなか厳しいサインですが、京都の人からしたら「実際にそんなことはしたことがない。」「そういうものではない。」と言うものだそうです。それだけそうそうあることではなかったり、実は皆が寛容であったりということでしょうか。

しかし、実際になかなか来客が帰らずに困ったと言う人がいるのも事実。あまりハッキリと「帰ってくれ。」とも言えません。下手に言えば、その人との関係が壊れてしまいかねません。

実際に、どうやってアピールする方が角が立たないのでしょうか。逆に自分が訪問側になった際に、このようなアピールがあったら早々に引き揚げるべきだと知っておくのもの必要です。

長居をしている最中にお茶を出すのは、そもそも帰って欲しいサインです。(お菓子も一緒ならば、引き留める意味があります。)しかし、相手のとの関係によっては、これは本当に帰って欲しいのか、ただ親切からお茶を出してくれるのか、わかりにくいかもしれません。

どちらかといえば、「お時間は大丈夫ですか?」「この後の予定は大丈夫ですか?」などとさりげなく時間の経過を伝えるのが、嫌みにならない促しと言えます。しかしこれもまた、特に今は昔ほど奥ゆかしさが薄れてきているのか、それで気付かない人も実際にいます。

そんな場合には、目上の人には難しいですが、「この後予定がありまして・・・。」「この後外出する用がありまして・・・。」と訴える方法もあります。少し面倒ですが、状況によっては一旦一緒に外出しなければいけないような配慮が必要な人もいるかもしれません。

逆に予防策として、友人などの気心が知れた相手向けかもしれませんが、先に「○○時までなら大丈夫です。」と伝えておくのも一つの方法です。

時間の感覚や相手への甘え、その時の都合など、人によって考え方は様々です。相手が自分の気持ちを察することができないことがあることも知っておき、自分が訪問した時には相手に迷惑にならない内に帰宅するように気遣うのが、マナーのある大人と言えます。